大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和26(れ)989 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

理 由

弁護人本田熊一の上告趣意第一点について。

憲法二五条一項の法意については、既に、屡々当裁判所の判例の示すところであ

つて、(昭和二三年(れ)第二〇五号同年九月二九日大法廷判決参照)所論物価庁

告示は右憲法の条項に反するとの論旨の採用できないことは、右判例の趣旨に徴し

明らかである。

同第二点について。

所論は、右物価庁告示はその制定の時機を失し、その告示が出た時は既に原料資

材並びに人件費は約二倍以上に暴騰していた等要するに右告示における紙類の統制

額の定め方が甚だしく不当であつたことを強調するものであつて、名を憲法違反に

藉るけれども、要は紙類統制額の当、不当を論議するに過ぎないものと認めるのが

相当であつて、刑訴四〇五条所定の適法な上告理由とすることはできない。

弁護人宇野長之、中村皎久の上告趣意第一点乃至第三点について。

論旨は要するに前記物価庁告示は、憲法二五条第一項その他の憲法の諸規定に違

反する無効のものであることを前提として、原判決の憲法違反を主張するものであ

るが、同告示が憲法二五条一項に違反するとの主張の理由のないことは弁護人本田

熊一の上告趣意第一点について説明したとおりであり、同告示がその他の憲法の諸

規定に違反するとの主張は、帰するところ、同告示による紙類の統制額が統制の実

情に合致しないとし、その価格の定め方を論難するに過ぎないものであつて、同告

示の憲法適否の主張と認めることはできない。従つて論旨は採用し得ない。

同第四点、第五点並びに弁護人宇野長之の上告趣意第一点乃至第三点について。

論旨はいずれも刑訴四〇五条の主張にあたらない。又記録を精査しても、同四一

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一条を適用すべきものとは認められない。

よつて、刑訴施行法三条の二、刑訴四〇八条により、全裁判官一致の意見により、

主文のとおり判決する。

昭和二七年二月八日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

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